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請願第5号
小櫃川源流域の産業廃棄物処分場増設反対に関する請願
<要 旨>
新井総合施設株式会社が小櫃川源流域に設置した管理型産業廃棄物最終処分場・君津環境整備センターの第3期増設に対する反対の意見書を、千葉県知事宛てに提出していただきたく、請願いたします。
<理 由>
1 当処分場の位置する場所は、4市市民の生命の水が生まれる水源地です。
君津環境整備センターは木更津市・君津市・袖ケ浦市・富津市の水道水源である小櫃川の上流御腹川の源流域に位置しています。このスめ立地が不適切であるとして、地元住民団体はもとより、君津市議会、君津市長が、建設反対の意思を強く表明していましたが、平成13年3月31日、県知事は設置を許可、平成16年4月、営業が開始されました。
この・ェ場が立地する大福山・梅ヶ瀬地域は、千葉県屈指の多雨地域で年間2,200mmもの雨が降ります。しかもここには帯水層の梅ヶ瀬層の露頭があります。
●梅ヶ瀬層にしみこんだ地下水は久留里および小櫃の上総掘りの水となります。
●表流水は御腹川となり小櫃川に合流し、流域の農業用水として利用されてい
ます。
●小櫃川の下流域木更津の大寺で、広域水道の水源として取水されています。
●雨は平均して降るわけではありません。大福山で長雨の後に豪雨があれば、処分場の処理能力を超えた汚染水はそのまま御腹川に流出し、小櫃川に流入します。
2 第1期処分場は漏洩により稼働停止。いまだに原因未特定のままです。
ここには、平成23年3月の福島原発事故以来、放射性物質を含んだ廃棄物が大量に埋立てられてきましたが、平成24年1月、場内の汚染水が外部に漏洩、搬入停止。原因未特定、対策未確定のまま、現在も搬入停止が続いています。
しかも、平成24年秋に完成した第2期処分場について、県は第1期処分場漏洩問題未解決の間は供用を許可しないと言明していましたが、25年1月、突如供用開始となり、放射性物質を含む廃棄物が搬入されています。
3 大切な水源地に、将来の責任を誰も負えない全国最大規模の処分場が生まれます。
新井総合施設(株)は、第3期処分場増設のための林地開発行為事前協議書を、平成24年1月20日付けで県に提出。県の取り下げ勧告に応じることなく、手続きを進めていますB
第3期増設の規模は、埋立面積8.2ha、容量200万m3、事業区域64.5ha。第1期97万m3、第2期103万m3と併せれば、埋立容量400万m3という全国最大規模の処分場になります。
「ごみは出るから廃棄物処分場は必要、どこかに作らざるを得ない」という意見もあります。しかし千葉県内に処分場が際限なく拡大すれば、金さえ払えば首都圏からいくらでもごみが持ち込まれることになります。安易によその処分場に頼らず、ごみは自分たちの所で処分することが、ごみの減量につながります。
さらに処分場を作るにしても場所が問題です。私たちの大切な水源地を、さまざまな管理型廃棄物ばかりか放射性汚染汚泥まで膨大な規模で埋め尽くした後は、どうなるのでしょうか。もし災害が起こって処分場が崩壊し、汚染物が御腹川に流入し、小櫃川に入ったら、責任はだれが取るのでしょうか。
本件と同じ小櫃川水系の水源地域木更津市真里谷における安定型最終処分場設置計画に対しては、平成24年8月、小櫃川を水道水源とする木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の4市議会議長より県に対し不許可の要望が行われました。本件についても4市市民の生命の水を保全するために、ぜひともお力を賜るようお願いいたします。